開業以来、私は国際結婚の経験者として多くの方から配偶者ビザの入管申請手続のほか国際結婚に関する様々な相談を受けてきました。そんな私が常に思うことは「国際結婚は配偶者ビザを取ってからが本当の勝負」ということです。
配偶者ビザの申請手続のみを安い料金で請け負う行政書士は多くみえますが、私は適正な料金で結婚前の手続や結婚後の悩みも含めて国際結婚に関するあらゆる相談にのり、料金以上のサービスを提供します。もし、以下のような方がみえましたら是非、ご相談下さい。
在留資格「日本人の配偶者等」は、主に「日本人の配偶者」としての活動が当てはまります。ここで、「日本人の配偶者」の意味(在留資格該当性)について説明します。
①「配偶者」の意味
ここで「配偶者」とは、現に婚姻中の者をいい、相手方配偶者が死亡したり離婚した場合は含まれません。婚姻は法律上、有効な婚姻であることが必要であり、内縁の配偶者は含まれません。また、同性婚について、日本民法は同性婚を認めていないので、外国人と日本人との同性婚は有効な婚姻とは言えません。
②同居の要否
常識的に考えて、夫婦といえるためには、お互いに協力し、助け合って社会通念上の夫婦の共同生活を営むという婚姻の実体を伴うことが必要です。そのため、「配偶者」といえるためには、夫婦が同居して生活をともにすることが必要と言えそうです。しかし、最近の判例では、現代社会における婚姻概念の多様性を理由に、週1日しか同居していない夫婦でも「日本人の配偶者等」の在留資格該当性を認めています。これは、生計の同一性や交流実績から判断し、「社会生活上、婚姻関係があるといえる実質的基礎」が認められれば、夫婦が例え同居していなくても「日本人の配偶者等」の在留資格該当が直ちに否定されるものではないと判断したものです。
入管実務においても、「日本人の配偶者等」の在留期間更新許可申請の際、入管が申請人夫婦の別居事実を認識していても直ちに更新不許可にはしていません。具体的には、申請人夫婦に質問書を送付して「別居の経緯、別居機関、別居中の両者の関係、生活費の支給など協力関係の有無」を確認した上で、結果的に更新許可をしているのが実情です。つまり、別居という外形的事実のみをもって更新不許可にされることはないのです。
③経済的基盤(生活費支弁能力)の要否
「日本人の配偶者等」の在留資格該当性を判断する際、当該活動の「安定性及び継続性」も必要となるところ、婚姻生活を営むための経済的基盤があることは、この「安定性及び継続性」を裏付ける一要素と考えられます。つまり、経済的基盤は「安定性及び継続性」の要件ではなく、たとえ経済的基盤が不十分でも、同居期間が長期に渡るなど「日本人の配偶者等」の「安定性及び継続性」を基礎づける他の事情があれば、「日本人の配偶者等」の在留資格該当性が認めれる可能性があるのです。
この点、生活保護受給者が外国人女性と結婚し、彼女を「日本人の配偶者等」として呼び寄せる場合(在留資格認定証明書交付申請の場合)については、上記の経済的基盤の欠如が著しく、公共の負担増が懸念されることから、入管の許可(認定証明書の交付)は難しいと言えるでしょう。
一方、「日本人の配偶者等」の在留期間更新許可申請の場合は事情が異なります。具体的には、申請人が生活保護を受給していても、受給するに至った経緯や家族状況から人道的理由が認められる場合には、更新許可が認められる可能性があります。
一時期に比べれば、国際結婚する日本人の方は減少していますが、それでも毎年約2万人の日本人の方が国際結婚されています。日本国内で結婚相手を見つけることが難しい今の時代に「国際結婚によって新たな人生を切り開きたい」と考える方がいても不思議ではありません(私自身も日本での結婚を諦めて国際結婚の道を選び、中国人女性と結婚して人生が大きく変わりました)。
しかし、その一方で、国際結婚した方の半数以上が離婚されているという厳しい現実があります。私も国際結婚された方のために「日本人の配偶者等」(配偶者ビザ)の入管申請(在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請ほか)をよく行っていますが、国際結婚したけれど相手と上手くいかずに悩んでいる方から相談を受けることがあり、国際結婚の難しさを日々痛感しております。
このように、せっかく国際結婚しても上手くいかない方と会っていつも思うのは、「どうして、もう少し相手との交際に時間をかけなかったのか、相手をもっと観察しなかったのか」ということです。日本人同士でも相手の人柄や結婚観、金銭感覚を短期間で理解することは容易ではありません。ましてや、国際結婚の相手は生まれ育った環境が全く違う外国人なのですから・・。特に、最近多い出会い系サイトを利用して出会った外国人女性との国際結婚を考えている方は注意していただきたいと思います。